【4冊7掛】詩集「まなざしの川をわたる」(書店・店舗向け)
¥5,600 税込
なら 手数料無料で 月々¥1,860から
別途送料がかかります。送料を確認する
¥8,250以上のご注文で国内送料が無料になります。
《※書店様、小売店様向けの卸販売ページです》
特典として、もりやままなみの描き下ろしエッセイがつきます。
(4550文字)
領収書を同封してお送りいたします。ご購入時に入力いただく「お名前」と、領収書のお宛名が異なる場合は、必ず備考欄に「領収書の宛名 〇〇」とご記載ください。どうぞよろしくお願いいたします。
クリックポストで送ります。4冊でぴったりサイズなのです。
ほかの書籍と合わせて8250円以上になると送料無料になります。
●
最近、家の掃除をしていたら昔に書いていた日記をみつけました。5歳のころ、日本語を習得するということで毎日宿題として書いていたものです。
日記には、発音訓練の先生による赤字が書かれているのですが、いやあ、ひどい。ひどい。
きれいな言葉を少しでも身につけるべく厳しい訓練が必要である、という、ど根性論が当たり前の昭和だったとしても、それでも、どれも5歳児にむけるべきものではないものでした。子どもを迎えた今、読むとあらためてそのいびつさがわかります。
「手話を覚えると犬並みになるからやめなさい」と母に言った先生でした。いやはやなんとも。
日記に書かれたこの赤字が、ぼくにとってずっと呪いでした。聞こえるまともな人間にならなきゃ、と、ずっと焦ってもがいていました。
程度の差や形は違えど、こういう偏見と差別に満ちた呪いは現在もあります。
こうした呪いから放たれて、ろうとしての生き方を絶対肯定するような本をぼくはずっと必要としていました。
まずぼくが作ろうと思い、写真作品、エッセイ、そして、今回は、詩集に挑みました。
ぼくと同じく、眼で見る喜びをたずさえて写真を撮る、妻であり、最高のライバルでもある、写真家もりやままなみとの初めての写真による共同作品でもあります。
●
「明け方」
眠っているかのような
あなたに 手で話しかけました
ひとたび ことばをそそげば
心の奥で広がる無辺から
あなたの記憶が
あざやかに湧きいづります
あなたがいた場所も
目尻の皺も
手がつむいだことばの軌跡も
ことごとく
記憶が溢れて こぼれて
やみません
静かに にぎやかな赤い血
私の記憶には
私の全感覚を通して
あなたが宿っています
私の手も いつか
語れなくなるでしょう
その日まで
できるかぎりの光を
この手に通わせて
できるかぎりの風景を
目の奥にしまって
できるかぎりの人と
ことばを交わして
あらゆることばの気配が
皺のすきまに宿るなら
それだけで
もう
●
この詩集で成したいことは、単に「ろう者の物語」を描くことではなく、「目の喜びを糧として生きる者が、世界をどう感じ、どう共有しうるか」という問いに向き合うことだった。
「あとがき」より
●
【卸特典】
もりやままなみ 書き下ろしエッセイ
4550文字
【詳細】
詩集「まなざしの川をわたる」
発行日 令和7年12月1日
著 者 齋藤 陽道
写 真 もりやま まなみ
発 行 株式会社せかいはことば
印 刷 藤原印刷株式会社
定 価 2000円(税込)
仕 様 B6変形 ソフトカバー(並製本) 142p
部 数 1000部限定
詩 37篇
-
送料・配送方法について
-
お支払い方法について
¥5,600 税込
